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Product Outline / 製品概要
脳が聴くスピーカー
音の出所を決定するのは耳ではなく脳です。デジタル時代のスピーカーは、 周波数特性という従来の耳の特性のみならず、脳科学を利用します。
弱肉強食の長い進化の歴史の中で、敵の存在箇所を把握する能力は、 淘汰により否応なく研ぎ澄まされてきました。 もちろん、高度に進化した人間の脳も、 耳から音の出所を推測する能力は極めて高いといわれています。 首の筋肉を使って、いちいち目で探していたのでは、とっさに逃げる方向を決定できません。 耳で音の出所を瞬時に推測した後で、目は主に敵の規模を確認するのに使われます。 したがって、耳は脳に直結していますし、目よりも俊敏かつ高感度なのです。
では、なぜ水平に2つしかない耳を用いて脳は上下や奥行きが区別できるのでしょうか?
脳は、主に複数経路からの反射音により周囲環境を把握しています。 直接届いた音と、周囲のものに反射してから届く複数のやや遅れた音の和を、 耳の穴の複雑な形状も利用して捉え、その周囲環境を脳が解析、把握しています。 逆に、脳はあらゆる角度からくる音の内、 もっとも確からしい位置を把握するのに必要な情報だけを鋭く認識し、 冗長な音はフィルタリング(無視)する能力にたけています。 つまり脳は普段から、様々な音のほとんどをダミーとして無視しているのです。
では、マイクでひろった 「直接波と、床などで反射して遅れた複数経路の合成音(環境伝達関数)」を、 目の前で再生するとどうなるでしょう?
脳は時間差でたたみこまれた音による、環境伝達関数から周囲環境(音源方向) を把握します。 その環境に最も最適な方向からの音だけをフィルタリングして、 音の出所を確認しようとするのです。 ここで、Dr.3のスピーカーが威力を発揮します。 あらゆる方向に音を放射していますから、 時間差からくる認識情報と、もっともらしい方向から実際にくる音とを、 すっきりと一致させることができます。 したがって、ありとあらゆる方向に音を放出するDr.3のスピーカーだからこそ、 冗長音の脳のフィルタリング効果によって、聴者の周囲に広がる音空間が、 よりスムーズに認識できるようになります。
脳が推測した方向から、ちゃんと音が聞こえているということは、脳にやさしい音響空間 になっているともいえます。 これが、リラクゼーションサウンドとしてのDr.3の価値と、 レストランや、医療機関などで長時間使われる理由の一つでもあります。
通常スピーカーとの比較
- 複数スピーカの互いの接続方法の見直しにより、手のひらサイズのスピーカーでも十分な低音を出すこと に成功しました(特開2009-111836ほか)。
- 通常のスピーカーでは最適視聴ポイントが1方向であるのに対して、 Dr.3のスピーカーは球状全方向に音を放射する為、空間のどの場所にいても同じ音圧が得られ、 またどこでも正面からの直接波であるため、劣化しやすい高域の減衰も少なく、 明確な音像を広い範囲で再現できます。
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従来のスピーカーでは得られなかった立体的で豊かな音の広がりが、
Dr.3のスピーカの最大の特徴です。
限りなくオリジナルに近い音源位置の再生、 特にアコースティック楽器では点音源であるものが多く、 音源の定位とそこから広がる立体感が素晴らしい臨場感を再現いたします。 - コンパクトサイズでデザイン性にも優れたDr.3の5角形12面体の特徴あるデザインは、 インテリアデザイナーからも高く評価されています。
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Dr.3のスピーカーは、全方位の広い空間をカバーできる為、
BGMや業務用途で、従来に比べスピーカーの必要本数を減らすことができます。
スピーカーの設置本数が少なくなることで、周辺機材を含めたシステム全体の ダウンサイジング、施工の省力化・期間短縮も可能です。
多くのスピーカーで正確な音を聴く事ができるのは、 2本のスピーカーから同じ距離にある中心線上のわずかなポイントだけです。
Dr.3のスピーカーは球状全方向に音を飛ばします。 自然な音の広がりは、周囲物体からの反射音も含めてやさしく耳に到達します。 これは生の楽器や肉声と同じ広がり方ですので、より自然で長時間聴いていても 耳(脳)が疲れません。
Dr.3のスピーカは、なぜ音がいいのでしょうか?
12面体スピーカを作り続けて四半世紀...。 我々はその長い歴史の中で、小さくて単純な構造のスピーカユニットこそが、 最もピュアな音を再現するという結論に達しました。 大きな振動版をもつスピーカは、振動の抵抗が低く、共鳴効果もあって、 低い音を出しやすいのですが、 大きな振動版がよじれて振動することによる「分割振動」という問題を発生しやすく、 2倍波や3倍波の高調波の影響で、音に歪み(にごり)がでやすくなります。 また、一つのスピーカーユニットを効率よく能力限界まで使うことによって、 機械的振動限界から大きな歪みを生じること(サチュレーションと呼ばれる現象です)は, 物理的に避けられないことですが、複数のスピーカーで協力して音を作ることで、 1つ1つのユニットは軽く動作することができ、結果的にリニアリティの高いピュアな 音像を得ることができるようになります。 更に、不自然に低音を強調する共鳴型低音スピーカは、最初こそ迫力は感じるものの、 しばらくしたら耳障りで脳が疲れてしまい、 その不自然さが気になり、もう聞いているのもいやになることもあります。 これを避けるため、物理的に無理な技術を積み重ねてきた過去のスピーカ概念には頼らない、 全く新しい「デジタル時代のピュアスピーカ」。それこそがDr.3の目指してきたスピーカなのです。
Dr.threeスピーカーの特徴
- 分割振動を発生しやすい大きなスピーカユニットではなく、 12個の小さなアクチュエータで実現 → その明瞭で濁りのない低音は他に類をみません。
- Dr.3のスピーカは放射状に音が広がるまったく新しい概念のスピーカです
- 点音源スピーカなので、ステレオ2点音源より放射された位相情報が正確で、 結像した立体音像は実に高精度、左右だけでなく、上下や奥行き方向にも音像が正確に 再現されます。
- 従来の箱型(指向性)スピーカに比べて、特に上下、奥行き方向に、より自然な表現力を実現しました
- アクチュエータを片チャンネルに12個も搭載(ステレオで24個)、 並列動作により、1つ1つのアクチュエータの負荷を軽減(低歪動作:高音質)、 各々のスピーカーユニットは、実に1/12の能力で駆動します
- 小型(サッカーボール程度:3D-077モデル)ながら出力120W(片チャネル)と大容量 (3D-032モデルは、36Wソフトボール程度)
- パラボラアンテナの放射器の様に機能する、反射型スピーカーですので、 近傍の壁や床を利用して、あたかもそこに巨大なスピーカーがあるかのように機能します。
- 並列動作しているため故障に強く、業務用途にも最適です。
大きなスピーカを同調動作する沢山の小さなスピーカで構成する
単純でピュア… しかし、こういった口径の小さなスピーカには、 低音が出にくいという問題がありました。 そこで我々は、これを複数個集合させることで、 全体としてあたかも大きな口径のスピーカユニットを 構成したのと同じ効果を得ることにしました。 トンボの眼のようにシンプルだからこそ、ピュアな特性のものを複眼とすることで、 全体として優れたユニットに仕上がっているのです。 12分割されたコーン紙が、それぞれ独立した12個のアクチュエータ(駆動コイル) によって精密に分割動作し、 1つの理想的な呼吸玉スピーカとして機能する。 これにより、濁りがなく、フラットでピュアな音を再生できるようになりました。 また、分割によって、大きなエネルギーにより歪を生じることなく、 リニアな領域で動作する適度なエネルギーを集合することで、 高価で巨大な高性能スピーカと同等以上の音質を、 コンパクト、かつ、低価格に構成することができるようになりました。
1つ1つのアクチュエータは、シンプルでピュアな特性を追求
アクチュエータは、バランスドライブ方式を採用することで、 ボイスコイル内外の質量バランスをとり、 質量差を少なくすることで入力信号に忠実に応答するとともに、 ピストン運動領域を拡大して、線型性と音圧を両立しています。 また、アルミ振動板を採用することで、フィルムや紙に比較して、 コーン紙全体への音の伝播速度を早く、これにより分割振動を起こさずに、 ピークディップの音圧差を軽減することにも成功しました。 しかも、比較的方向性を持たない低音域においては、 無指向性配置こそがより音響システムとして自然であるということに気がつきました。
すぐれた制振特性(デジタル時代のスピーカは重くなくていい)
複数のアクチュエータは、球状に均等に配置されています。 ここでちょっと工夫をして、2つのアクチュエータを180度逆方向に ペアにしてとりつけました。 口径の小さなアクチュエータを採用していますので、 可動部を筺体重量に対し、相対的に軽くできるのですが、更に この手法により、反対側にあるアクチュエータ同士の反発力により 互いに振動を打ち消しあい、可動部の振動分解能を飛躍的に向上すること に成功しました(特願2007-283375)。 スピーカーの箱鳴りやスタンドの共振防止等を考慮しなくても、 筐体自身の振動がアクティブに抑制されているため、 床や壁に伝わる騒音(壁伝導)の発生も少なく、 集合住宅や商業施設でも安心してお使いいただけるというメリットもあります。 大きなスピーカーが横方向に取り付けられた従来の箱型スピーカーでは、 複数のスピーカーが同一方向に振動することで箱が動いてしまっては、 振動面に相対位置ズレ歪みが発生するばかりでなく、 床面に余分な振動エネルギーを伝達してしまうという欠点があり、これまで、 より重いスピーカーがよいスピーカーとされてきました。しかしながら、 日本の住宅事情を考えても、このような無駄に大きなスピーカーはもう古典的です。
やっぱり大勢で聴くから楽しい
波の回り込みの効果から、低い周波数の音はどこにいても同じように聞こえるのですが、 音にツヤを与える、高い周波数の音は波長が短いため、直進性が強く回り込むことができません。 そのため、箱型のスピーカーの場合、 中心線から外れた人は音につやがなくなってしまうという問題があります。 しかしこのスピーカーなら、球状全角度に均等に高周波音を放射しますので、 聴者がどこにいても、音場の疎外感が極めて少ないという特徴があります。 テニス等のラケットにあるスィートスポットの部分が広いというニュアンスが 判りやすいと思います。 特筆すべきは、奥行きと上下に関する空間の表現力です。 音の上下の位置関係は、音源から聴者までの空間における直接波と、 主に床面での反射波による位相差(到達時間差)で脳が判断しています。 点音源スピーカは、上下や奥行きといった音源位置を実にうまく表現することが できます。高精度な音像、広い空間はまさにDr.3ならでは!
劇場やコンサートホールでの臨場感を、 いかに家庭や他の狭小空間で忠実に再現できるか…
このシステムが一つの解を与えます。 ステージに立ったことのある人は、Dr.3のスピーカで奏者の気持ちが蘇るといいます。 音源にしっかりとつつまれる。本当に、ステージに立っているかのようです。 また、自然に興味のある方は、あたかもその場にいるような自然な音の臨場感を感じるといいます。 耳(頭)が動いても鳥のさえずりは本当に上から、川の流れは下から聞こえるからです。 スピーカの間を歩くことができるスピーカで、小鳥の鳴く清流を歩いてみませんか?
超小型なのに大迫力
筺体の背面、ロゴの下には、大電流を流すことが可能で機械強度も高く、 ドイツでも定評のあるノイトリック社製のスピーカー専用コネクタを装備しました。 太いスピーカケーブルからくる、強いねじり力に耐え、ねじれによって発生する、 ケーブルショート事故の危険性を回避しています。 超小型スピーカでありながら、周囲からの壁の反射波を利用することで、 その放射有効面積は従来の大きな箱型スピーカと変わらない、 もしくはそれ以上に大きくなります。 また、マルチ駆動の大口径フルレンジアクチュエータが一斉にうなりをあげたとき、 そのパワーはまさに大迫力! パワフルなのですが、しかしくっきりとした音像を再生するのが Dr.3スピーカの最大の特徴です。通常使用時には、各アクチュエータは、 十分な余裕を持って、よりリニアに分散駆動しています。 しかも、複数の小型ユニットの同心円を筺体中心にぴたりと一致させる技術によって、 音はその理論中心点から放出されたのと同じ経路、放射角で周囲に広がります。 これにより、2つのDr.3スピーカは、正確な2つの点音源ユニットと等価となり、 ここにステレオ信号を印加することで、複雑な音像も高い精度でくっきりと、 再生することができますし、周囲反射音は、より自然な音の発生状態のまま脳に伝わりますので、 長時間聞いていても脳が疲れません。
製造工程
綺麗な青いアークをちらして、5角形12面体を溶接してゆく様は、実に幻想的です。 この高貴な紫色のオーラこそが、職人が自らを職人として位置づける証でもあります。 熟練工でなければ、様々な角度を有する正12面体の筐体の製造には多くの時間がかかります。 接合部のエッジを磨くと、最初は刃こぼれした日本刀の様な状態となりますので、 必要な部位を見極め、必要量だけ溶接でもりあげて、 サンダーで磨いでは鏨と熟練工の指先の感覚だけでその表面を1つ1つ研ぎあげています。
スチールの抜き落としは、コンピュータ制御のNCマシンで行っています。 宇宙時代にNASAで生まれたとされる先進の技術を利用した、 多品種少量生産における金型のいらないプレス加工技術により、 少量生産であるDr.3の製品の低コスト化を実現しています。 先進的な技術と熟練工の巧みな技で構成されるDr.3の筐体! スピーカコイルや振動版の技術、ユニット接続方法の技術だけではなく、 Dr.3には、筐体加工精度に関する技術も沢山つまっています。 そして、おしゃれなデザインは、他に類を見ないノベルティで南青山から発信しています (機械加工や溶接、焼付け塗装は横浜市内の工場で実施)。
詳細は当社まで お問合わせ ください。